Web3で科学技術の発展に貢献するとして注目される「VitaDAO」についてご紹介します!
以下、本記事の要点です。
- VitaDAOはバイオテックの研究を促進するサイエンスコミュニティのDAO
- 長寿研究を加速し、人類の健康寿命や寿命そのものを延長することがミッション
- IPをNFT化したIP-NFTsを製薬会社などに貸し出し・売買
- VCと比べて商業化まで時間のかかるような早期の技術にも投資できることも強み
Web3で科学技術の発展に貢献する「VitaDAO」とは?
VitaDAOはブロックチェーンを活用してバイオテックの研究を促進するサイエンスコミュニティのDAOです。
老化克服や寿命延長を目的とした、longevity research(長寿研究)に特化しています。
長寿研究を加速し、それによって人類の健康寿命や寿命そのものを延長することをVitaDAOのミッションとしています。
ブロックチェーン技術によって資金のやり取りや研究データをデジタル化することで、このミッションをより効率的に追求しようとしています。
これはDAOを活用したDeSciと呼ばれる取り組みに分類されます。
Web3に興味を持っている人の間で関心が高まりつつあるDeSci。 「DeSciという言葉を聞くことがあるけど実際はよくわからない」と思っている人も多いのではないでしょうか? この記事では、「DeSciとは何なのか?」というこ[…]
なお、DAOについてはこちらをご覧ください。
Web3に興味を持っている人の間では注目されているDAO。 「DAOという言葉は聞くけど実際はよくわからない」と思っている人も多いのではないでしょうか? この記事では、「DAOとは何なのか?」ということを一通りご理解いただける[…]
VitaDAOの取り組みと強み
IPをNFT化したIP-NFTsを活用
VitaDAOは、知的財産(IP)を活用する権利を得る代わりに、長寿研究に資金提供しています。
そして、IPをNFT化したIP-NFTsを活用することで研究室のIPの価値を担保し、オンラインでやりとりできるようにしています。
このIP-NFTsを製薬会社などに貸し出したり、売買したりすることで、売却益や取引手数料などを得ています。
そして、VitaDAOが保有する特許を将来的に製薬会社等へライセンスアウトして利益を得ることで、更なる資金提供を行います。
2021年から何やら話題の絶えないNFT。 ニュース番組で取り上げられたり、有名企業が続々と参入したりと日に日に身近になっているように感じます。 しかし、流行っているけど何が起こっているのかよく分からない、と思っている人も多い[…]
VitaDAOとVCの違い
VitaDAOはVC(ベンチャーキャピタル)と比べて、商業化まで時間のかかるような早期の技術にも投資できることも強みとしています。
通常のVCはファンドの運用期間が約10年間と決まっていることもあり、出資先はその期間内での投資回収を求められます。
したがって、研究者がスタートアップを起業してVCから資金を調達するには、10年以内に投資回収できるシナリオを示さなければなりません。
しかし、バイオテックのベンチャーは臨床試験に時間がかかります。
特に、長寿研究の成果検証には時間がかかることが想定されるため、10年間という制約が大きなハードルとなることもあります。
これに対しVitaDAOの場合、通常のVCのような時間制限が無いため、長期的な目線で投資を行うことができるのです。
VitaDAOが誕生した背景
医薬品の研究開発はお金と時間がかかる
多くの医薬品の研究開発は、数億ドルにものぼる莫大なコストと効果検証のための長い月日が必要なため、大規模な研究所や大富豪しか手が出せません。
そのため、仮に老化を治療できる夢の薬ができたとしても、一部の富裕層にしか渡らない可能性があります。
これに対してVitaDAOは、長寿研究の支援をオープンかつ共創的なコミュニティで行おうとしています。
アカデミアの早期の研究が上手く活かされていない
また、バイオテックにおける新たなライセンスは近年、大学や研究所などのアカデミアから生まれてきたものも多くいです。
しかし現在、アカデミアの早期の研究の多くはライセンス化されておらず、資金が注入されないため開発がそれ以上進められない、いわゆる「死の谷」が存在しています。
VitaDAOはこの早期の研究に投資を行うことで、オープンな研究開発を促進しようとしています。
まとめ
- VitaDAOはバイオテックの研究を促進するサイエンスコミュニティのDAO
- 長寿研究を加速し、人類の健康寿命や寿命そのものを延長することがミッション
- IPをNFT化したIP-NFTsを製薬会社などに貸し出し・売買
- VCと比べて商業化まで時間のかかるような早期の技術にも投資できることも強み